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愛の極限 カミーユ・クローデル [美に生きる]

ワルツカミーユのアトリエを訪れたポールの日記には次のように記されています。

「狂ったカミーユ。・・・中略・・・おぞましい不潔さ、彼女はものすごく肥って、顔は汚れたまま、単調で金属的な声でひっきりなしにしゃべっている」
by 訳:渡辺守章

カミーユが45歳のことです。そう、いまの私と同じ・・・45歳。

ロダンと決別した10年後のことです。その時代に、彼女は何が欲しかったのでしょう。弟のポールに、容姿や生活を貶されるような日々と姿に変わり果てるほどに・・・。




カミーユ・クローデル―天才は鏡のごとく
詩人のポールは、「この裸の若い女、それは私の姉なのだ。嘆願し、屈辱を受け、ひざまずく。あの美しく誇り高い女が、こんなふうに自分を描いている」と、ブロンズの「分別盛り」をそう語ったのです。

メルシャン軽井沢美術館では、「カミーユ・クローデル」展を5月21日まで開催しています。一生分の欲求を使い切ったあまりにも激しい愛と欲望のカミユの作品。


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コメント 11

gallery

fu-、久しぶりです。カミーユ・クローデルの映画がありましたね。 Isabelle Adjaniが、20歳の頃のカミーユそっくりの面影を残している。僕にとっては美貌の彫刻家だったのですが、弟ポールから、おぞましいという言葉が吐かれるほどに、美が衰退していったんでしょう。加齢ではなく、精神の衰退ですね。ちょっとガッカリ。(笑)ですが、写真のワルツ、リンク先の分別盛りなどを拝見し、作り手の美意識が伝わってきました。 http://gallery.bblog.jp/
by gallery (2006-04-16 19:56) 

xai

カミーユの美貌を吸い取ったのは、妻のローズではないだろうか?
決別とあるが、すっかりロダンと別れたわけではなかったはず。ロダンは、カミーユと暮しながら、追い出したような妻に、愛情を訴える手紙も送っている。そんなロダンとローズの関係が、奪い取ったはずのカミーユを追い詰めていったと考える。僕は映画も、小説も知らないが、作品だけは知っている。分別盛りの女2人の心理が、すがる立場、すがられる立場にすりかわり、魂が磨り減ったのだろうね。http://d.hatena.ne.jp/xai/
by xai (2006-04-16 20:05) 

MARI

カミーユは妊娠し、結婚を迫りますが、ロダンは妻と別れられず、結局カミーユは彼の元を去ります。流産後は創作に没頭、次第に評価を得るものの貧困は続く・・・。この時代の芸術家は、なぜに貧困が多いのでしょう。貧困と創作への没頭から、いまでいう「ストレス」、「鬱」と進行していったのでしょうか。それとも、精神分裂だったのかしら。とにかく、更年期障害など、女性の変化の年齢時の容姿の変化に、ちょっとゾッとしますね。リンク先から拝見したカミーユの素の可愛らしさが、その後の生き方で崩れていく。日々の過し方、心の持ち方が、自分の印象を象徴していくのですね~。
by http://mari-note.cocolog-nifty.com/
by MARI (2006-04-16 20:14) 

sober

彼女の作品には、流れるような曲線美を感じますね。作品に儚さと甘さ、本人カミーユに対しては果敢無さと退廃的な印象が残りました。
http://sober.blog.shinobi.jp/
by sober (2006-04-16 20:20) 

remone

カミーユとロダンは、2人でひとつの世界を確かに持っていた。それが作品で理解できる。しかし、育てる男女の愛、睦ましさには至らなかったのだな。才能への愛だったのだ。その才能への愛も満たされなくなったカミーユが、あれほどの作品を創り上げていく凄まじさ。それは何だったのだろう。何が彼女を没頭させたのか。ロダンもトラックバックの記事にあるように77才で死ぬまで『地獄門』に向き合っていた。彫刻が2人の愛人だったのではあるまいか。
by http://ameblo.jp/remove/

追伸:爆笑コメントの 菜々子さんと自称ニートくんが削除され、ホッとしつつ、何がキーワードになって登場したんだ?(笑)
by remone (2006-04-16 20:39) 

fu-

to gallery
ようやくBlockBlogにデビューされ、記事も拝見。
今日のネタもっていきましたね!(笑)
美貌はその人そのもの。容姿も生活履歴です。でも作品には永遠に、カミーユの美が象徴されていますね。
by fu- (2006-04-16 20:57) 

fu-

to Xai
妻のローズと愛人のカミーユ。彼女たちは一生を憎みあったのでしょうか。
そんなにロダンって魅力的?結局のところ「価値」と「勝ち」は、何処?

ところで、Xaiのエントリー、たった5件でアクセス800超えちゃうのは凄い。
Xaiのつぶやきがうけているね。
by fu- (2006-04-16 21:02) 

fu-

to MARI
可愛らしいMARIちゃんが「ゾッとする」という言葉に、fu-は「ゾッとする美」があることを知っている年代になりました。(笑) ただ、カミーユがその定義にあてはまるのかどうか、その姿や生活美をみているわけではないので、なんとも。
fu-のさすのは「グロテスク美」で、人間だれでも「美意識」がある。
個人的価値観でセンス、テイスト、エッセンスが醜いと思われる人間でもね。
カミーユは精神に異常をきたしていた。ですから「美意識」を意識できる魂を持っていたのか・・・。つまり美は魂にあると思うのですよ。
by fu- (2006-04-16 21:07) 

fu-

to sober
ご無沙汰しております。
曲線美になるほどと共感。アールヌーヴォーが象徴するような華麗なるうねり。
弓がしなるような線は、浮世絵の美人画のようです。

追伸:新しいblogも記事で充実してきましたね。
by fu- (2006-04-16 21:11) 

fu-

to remove
まさにピアニストはピアノ、プリマドンナは旋律というように、芸術に生きる人はの恋人は芸術なのかもしれません。たとえばインターネットという仮想世界で恋人を作り出すようなものなのかも。
by fu- (2006-04-16 21:15) 

KOZOU

初めまして。
実はわたくしも最近カミーユについて書きましたもので興味深く読ませていただきました。
あれほどの美貌が本当に哀切ですね。姉を思慕していたというポールも衝撃だったでしょうね。

時々おじゃまさせていただきたいと存じます。よろしかったらサイトをのぞいていただけましたら幸いです。


by KOZOU (2009-03-25 16:10) 

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